クラスメソッド株式会社 渡辺 聖剛 氏の写真

お客様が抱える課題を解決するために、
コンサルティングから導入支援まで全力で取り組む

渡辺 聖剛(わたなべ・せいごう)氏
クラスメソッド株式会社
アライアンス事業部ソリューションアーキテクト

1995年に大学を卒業後、メインフレームの運用職としてエンジニアのキャリアをスタート。その後、活躍ステージをクライアントサーバーシステムへシフトし、ISPやWeb事業会社などでサーバー・インフラエンジニアとしての業務に従事したのち、2017年クラスメソッド入社。2022年よりAWSをはじめ、Google CloudやDevOps系製品を中心としたコンサルティングから導入支援まで幅広く担当。2021年、APN AWS Top EngineerおよびALL AWS Certifications Engineerに選出された。社内では同姓が多いことからファーストネームでの呼び方が浸透。お客様からも「聖剛さん」と呼ばれることが多い。
クラスメソッド株式会社
https://classmethod.jp/partner/category/devops/

■2019年に出会った書籍とイベントで重要性を認識
― いつごろ、どのようなきっかけでオブザーバビリティと出会われたのでしょうか。

コンピュータの監視という観点からいえば、エンジニアとしての第一歩を踏み出し、メインフレームの運用職に就いた1995年になります。その後、担当するマシンやシステムは変わりましたが、一貫して運用監視に携わってきました。こうしたなかで「オブザーバビリティ」という言葉に初めて出会ったのは、2019年1月にオライリー・ジャパン社から出版された『入門 監視』という本の中です。最初は「監視」を言い換えた言葉くらいのイメージで捉えたのですが、読み進んでいくにつれ、考えは変わっていきました。

私は当時、運用監視は大変なことが起きるのを検知する手段だと考えていました。ところがオブザーバビリティはそうではなく、現状はどうなのか、これから何が起きるのかをプロアクティブに捉えてシステムを見に行くもの。新しい概念、哲学と出会った気がしました。こうして得た知識をもとに2019年5月、当社のイベントで<AWSと監視SaaSの動向から探る監視(モニタリング)の『いま』>というタイトルで講演。私自身としては、ここで初めてオブザーバビリティという言葉を使い、新しいトレンドとして紹介しました。

そしてもうひとつ、オブザーバビリティへの理解を高めるきっかけになったのが、2019年9月に参加したNew Relicのイベント『Observability Meetup』です。ここで語られたのが、システム監視の軸足が「死活監視」や「リソース監視」から「性能監視」へ移行しており、オブザーバビリティの重要性が高まっていること。このイベントを通じて、オブザーバビリティに関する認識を確立することができました。

■「将来目標」から「いますぐ導入したい取り組み」へ
― その後オブザーバビリティには、どのように取り組まれているのでしょうか。

2019年5月の講演以降、当社で開催するイベントやセミナー、さらには当社ホームページに掲載しているエンジニアブログなどで、オブザーバビリティをテーマに話す機会を増やしていきました。同時にSREも盛り上がってきたので、オブザーバビリティとSREを組み合わせたモダンな監視についても、数多くのプレゼンテーションを行っています。

こうした取り組みを通じて感じているのが、イベントやセミナー参加者の反応が変わってきたことです。当初は「将来目標」として受け取られている印象を強く持ちましたが、ここ数年は「積極的に導入しよう」「うまく取り入れていこう」という気運の高まりを感じています。特に最近、相談件数が増えているのは、アプリケーションの動作を通じてユーザーの快適さを維持したいと考えられている企業で、私が担当している中ではゲーム関連、広告関連、金融系のお客様が目立っています。

こうしたお客様に共通しているのは、快適性が損なわれないよう、インフラ監視を中心に各種ツールを利用されてきたものの、限界を感じるようになってきたということ。「そこでオブザーバビリティに目を向けると、最初に名前が出てくるNew Relicのソリューションについて聞きたい」という相談が増えていることを実感しています。

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■守りではなく、攻めのために、オブザーバビリティを広めていく!
―今後のオブザーバビリティに対する展望について教えていただけますか。

エンジニアとしてのキャリアを通じて、違和感を持ち続けていることがあります。それは、運用やオブザーバビリティの対象である性能が、「非機能要件」として定義されていることです。サービスがどれくらいの速度、レスポンスタイムで提供され、稼働率がどういったレベルにあるのかを明確に把握することは十分に価値があることであり、オブザーバビリティは何かあったら対処するという受け身のものではなく、提供するサービス品質をより良くするためのプロアクティブ(能動的)な取り組みです。言葉としての表現に関するものではあるものの、守りではなく、攻めのためにオブザーバビリティを広め、機能要件として認識してもらいたいという想いがあります。

この観点から見ると、New RelicがAWSやAzure、Google Cloudといった各種のプラットフォームに対して、次々に監視対象を広げていることは、とても有効なことだと感じています。しかも、私が初めて出会った2014年の頃からアプリケーションのパフォーマンスモニタリングを主体とする画期的な管理ツールで、開発にも運用にも使えるところはスイートスポットを的確に捉えており、今後もこの姿勢を貫いてほしいと思います。

今後も引き続き、オブザーバビリティに関して、さまざまな視点から情報を発信するとともに、お客様が抱えている課題を解決するソリューションとして提供することにより、機能要件としての認識に共感してもらえる方々を増やしていきたいと考えています。

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■DevOps畑で歌って踊れるエンジニアとして貢献を
―最後に、読んでいただいた方へのメッセージをお願いします。

クラスメソッドでは、「オープンな発想と高い技術力により、すべての人々の創造活動に貢献し続ける」という理念を掲げています。この根底にあるのは、お客様の課題を解決するためなら、あらゆる手段を講じるという決意です。そのために私たちは、世の中のあらゆる動きを見据え、技術情報やノウハウを創造、発信、改善し続けています。この理念に基づき、お客様の課題を解決するためにオブザーバビリティが有効であればNew Relicと連携し、目の前に立ちはだかるハードルをすべて飛び越え、解決への道筋を示していきたいと考えています。

そのために私は情報発信を続けていきますし、お客様から寄せられた相談に対しては、コンサルティングから開発、実装までトータルに手掛けたいと考えています。当社では、お客様の課題を解決するため、オールラウンドに取り組めることを「歌って踊れる」という表現をよく使うことから、私がめざすのは、「DevOps畑で歌って踊れるエンジニア」であり続けることです。

システムを動かすために、何かしらの課題感をお持ちであれば、ぜひ気軽にご相談ください。